美しい大自然の中に
息づく開拓魂
当牧場は北海道東端、北側には世界自然遺産である知床半島、南側には日本最東端・根室半島の納沙布岬、そのほぼ中間にある人口2,000人程の漁業の町・尾岱沼にあります。
目の前には日本最大級の砂嘴(さし)・トドワラで知られる野付半島、海の向こうには北方領土の国後島が眺望できます。尾岱沼の前浜ではホタテ・ホッキ・北海シマエビ・鮭・アサリなど、年間を通して漁が盛んです。
北海道の味覚と言えば、鮭や蟹に代表される北海の幸・海産物が有名ですが、ジャガイモやトウモロコシなどの農産品、おいしいミルクやチーズ・バターなどの乳製品も欠くことができません。ここ道東は日本一の酪農地帯として牛乳の生産が盛んな地域です。
先々代がこの地を開拓して牛を飼い始め、先代から乳牛を育て、自分も後を引き継ぎ乳牛を続けてきましたが、自分の代になり子供たちが、それぞれの道へ独立したとき、かねてより念願だった黒毛和牛への転向を決意します。家業と一緒に引き継いだ開拓魂が、この豊かな環境でなら、自分が理想とする「本当に旨い牛肉」が創れるという強い意志のもと、今まで培った牛飼いの全てのノウハウと黒毛和牛への熱心な探究心により、ようやく「野付 潮彩牛」を世に出すことができました。
先代父栄一から乳牛を受け継ぎ、先々代勤氏からの牛飼い約100年。
知床連山を遠くに眺め、目の前には海産品豊かなオホーツク海、反対側には阿寒の山々まで見渡せる広い牧草地に乳牛を140頭も育てて来ました。旨い牛乳を作ることにすべてを費やしてきましたが、子供たちも独立し、かねてから夢だった黒毛和牛に挑戦することになりました。
本当に旨い牛肉が食べたい!
その思いで全国各地のブランド牛の生産地をまわり、勉強をかさね、今まで培った飼育の経験と恵まれたこの環境を最大限に活かして作りあげた最初の肉がなんとA5ランク!
一頭飼いにより丹念に牛と向き合いながらその質を下げないよう、サシよりも肉本来の味を重視した「本当に旨い牛肉」のことだけを考えて夫婦二人で育んでいます。
こだわりの一頭飼い
潮彩牛を健康に育て、
その命に感謝して
美味しくいただくために…
気候と向き合い、
大地に耳を傾け、
牛と会話する。
潮彩牛の主食はこの土地で育った乾牧草です。そしてこの牧草が牛の健康、お肉の味にまで大きく影響するのです。 そのために土壌改良や品質検査などを行い、常に牧草づくりには気を使っています。 そうやって大切に育てた牧草は刈り上げてそのまま天日で乾燥させ、ロール状にしてラッピングして保存します。 この時になるべく湿気を防ぐのが重要で、天気を見極めなくてはいけないところです。 しっかりと乾燥した牧草が肉質のきめてになるのです。 さらに昨今、周辺への匂いなど環境問題が大きく取り上げられる中、循環型酪農を推し進めてきた当牧場では牛の糞尿をイオン化処理することにより大きな実績をあげています。 匂いを抑えるだけではなく、スラリー散布により牧草の収穫量アップや糖度アップによる食欲増進など大きな成果が出ています。
当牧場で育てている潮彩牛は1頭、多い時でも数頭です。夫婦2人で細かい部分まで目の行き届いた世話をするため、これ以上は増やしません。 本当に美味しいと食べていただいているお客様にご提供できること、この地までいらっしゃって、この素晴らしい北海道の感動の思い出とともに忘れなれない味覚として残ってくれればと願って潮彩牛を育てています。 そのために毎日何回も顔や耳の温度を手で確かめ、目つきや、立っている姿、飼料の食いつき、飲水量のチェックしながら見回りをしています。 こちらへお越しの際は水が綺麗で有名な摩周湖を伏流水と冷涼な気候、オホーツク海の潮風で育った潮彩牛をぜひご賞味ください。
愛情いっぱいに育てられた潮彩牛は、清水町にある(株)十勝清水フードサービスで処理・加工されます。 衛生管理の行き届いた工場は広大な十勝の各牧場から大量の処理をこなす大変実績のある工場です。 様々な部位ごとの切り分け精肉処理のほか、当牧場の人気商品であるハンバーグもこの工場で加工していただいています。 こうして処理されたお肉を当レストランで皆様にご提供しています。 多少お時間がかかりますが、美味しく食べていただくために、保存温度、解凍温度、火加減など一番美味しくなる調理法でご提供します。皆様のお越しをお待ちしております。